劣等感
劣等感なんてものを感じるのは、至極当然である。人は一生そいつと向き合って、自分を殺しながら生きていく。
「あの頃の方が良かった」「90年代がー」「60年代がー」うるせえんだよ!
どんな時代でも古いものを良いと言う風潮がある。特にカルチャーにおいてそれは色濃く現れる。若者は(ここでは10代20代くらいとしておく)その風潮に何らかのもやもやした気持ちをかんじて生きていると思う。(もちろん古いものを良いと言う若者もいるが)
劣等感である。それも、はっきりとはしていない、なんとも曖昧な劣等感である。自分に対しての劣等感と言うよりかは、自分の所属する「世代」への劣等感だからだ。
かくゆう自分もこの風潮にはなにかもやもやしたものを感じる。古き良きというのは確かに言えることだし、俺も、過去の名作、名盤などといった、著名な文化物については心から素晴らしいものだと思うし、なんの疑問も抱かないが、それなのにこのイラつきに似た、感情を毎日感じる。
思い出補正
少し逸れるが、人には「思い出補正」という能力が備わっているらしい。少年少女時代に好きだったものはそれから大人になって、自分の趣味嗜好とはそれていても、それらはいい思い出、素晴らしいものだと錯覚してしまう現象である。実際俺も昔から好きなバンドや映画、アニメ、漫画には、特別な感情を持っている。それは間違いない。
なるほど。
この現象が若者に対して牙を向いているのだ。大人は自分が子どもだった時のものを美化してそれを若者に半ば強引に押し付けている。さも、自分が子どもの頃の文化が最高だと言わんばかりに。そして、口を揃えて「今のバンドはなー」「現代漫画はなー」などと新しい文化、いまの若者の好きなものをけなす。
彼らは、本当にそう思っている。心からそう思っているからこそ、自分が大人になった時、最新のカルチャーシーンに追いつけなくなった時に、それをけなすのだ。それか、カルチャーに対する熱を失った時だろうか。どんなにいいものを目にしても、熱が無ければ、そのものに対して、熱くなることはないだろう。もったいない。文化には年齢制限ないぞ。
大人がうるさい
うるせえ!いいものはどんな時代でも現れるし、それは今までもこれからも同じなんだよ!
俺らにもすげえバンドはいる!めちゃくちゃおもしろい漫画がある!聴いてみろ大人!読んでみろ大人!
度肝抜くぞ!
だんだん、過去のものは美化され、神格化されるような作品もある。それに、凄まじい劣等感を抱く。
まだまだ文化には、先があるし、いまも素晴らしいものが作られているから、最高なんだよな。
めちゃくちゃいいバンドとかめちゃめちゃおもしろい漫画ってあるし、目新しいファッションもある。
俺らが、知ってるいいものを少しでもこれを読んでくれる人の力になれるように、紹介していくんで、怖がらずに、今の自分がほんとにいいと思えるものを探して欲しい。最近新しい音楽聞かなくなったなとか、漫画読まなくなったなっていう大人がいたら、簡単に手に入る時代になったもんで、手を出してくれはしないだろうか、完全に熱が冷めることなんてないと思う。自分の中に残ってる微熱にまた火をつけてくれ、大人。