微熱を迎えにきた

週刊漫遊未成年

あの時ヤれたかもしれない話

あの時ヤれたかもしれない

この前自販機の前で彼女に叩かれてたあいつ、元気してるかな。ごめんな、あの時にやにやしちゃって。こんど飲みに行こうな。お前の奢りで。

やれたかも、、、男なら誰しもそんな経験あるのではないだろうか?僕にはない。

サークルの飲み会、バイト先の飲み会、会社の忘年会、相席屋、合コンにて手を擦り寄せてくる女。異様に距離の近い女。「あ〜酔っちゃった〜」って言う女。「今日家に人いないんだ」って言う女。

おまえらのそれなんなん!どーゆー意味?馬鹿な男には伝わらないよ、頼むから教えてくれ!それなんなん、、やれるのか、やっていいのか??あんとき、あれやっちゃってよかったのか?

神様、教えてください。僕はどうすればよかったのでしょうか。

そんな漫画を紹介します。

やれたかも委員会

あの日あの時あの場所で、もう少し勇気があったなら、そんなやれたかもしれない思い出を犠星塾塾長能島明、ミュージシャンパラディソ、そして、財団法人ミックステープ代表月満子が判定します。

「やれたかもしれない夜は人生の宝です。」

こんな紹介文ではじまる。

この判定員のキャラがいい、全員だれこれ状態。しかし、限りなく彼らは真面目にやれたかやれたとは言えないのかを判定してる。それがこのマンガに奥行きを出している。能島明のやれたかもに対する熱とありがたいお言葉。月満子のどぎつい指摘。パラディソの冷静さ。これが絶妙な塩梅で不思議な世界観を読者に体感させる。

そして、エピソードだ。現在はメールでエピソードの募集をしているらしいが、最初の頃のエピソードはどっから持ってきてたんだあれ、いいやれたかもだぞ、あれ。おれは厚揚げと焼そら豆は頼まねえ。とにかく、この漫画に出てくるエピソードは素晴らしい。多少の脚色はあるのかもしれないが、虚無感とリアルが何よりもいい。酒がうまい。今日は酔える。え、おい、吉祥寺行くぞ。

まあそして、男がダサい。ダサい。ダサい。ダサい。ダサ

でもそれって、たぶん童貞の頃の自分も同じなんじゃないかな、そんなんだったんじゃないかなって。大抵の男子ってそんなもんだろうと。見栄っ張りなのに勇気が出せない。そんなんでもいいでしょ。こんなもんでしょ。女子のちょっとした動作や言葉に遊ばれてたでしょ。イケてるメンズは黙って今すぐ山手線に飛び込め。それか、三鷹のモナリザに行け。もしくはAirPodsの片方無くせ。

焼きそら豆

俺が好きな話は「焼そら豆と内もものぬくもり」っていう話で、社会人一年目の男が仕事もやるせない一人暮らし。告白して振られた夜、某巨大掲示板にその内を書き込み、レスが付いた。この際誰でもいい、おっさんでもいいから話を聞いて欲しい。そんな所に現れたのはおっさんかと思いきや、同い年の可愛らしい女の子。
彼氏と犬ち暮らしているという女の子だが、彼氏はあんまり帰ってこないらしい。居酒屋で飲んだあとカラオケへ。同い年で意気投合、GLAY「however」を歌う。そして、疲れた彼女をおぶり彼女の家まで向かう。なんて話なんだけど、そこそこのリアリティ。そこそこでいい。自分に重ならなくても、もどかしさが分かる。この話の良さはそこである。もちろんノンフィクションではあるんだけど、リアル感がある。

ちょっと逸れるけど、「リアルだ」って多くは物語や映画、時には音楽なんかでも使われる言葉だけど、これって、褒めてるけどその反面、逆説的に本当に現実ではないことを表してしまってるのだ。リアルだと言うことが逆にそれが現実ではなく虚構だと浮き彫りにする。しかし、クリエイターの殺す言葉だと思うが限界を表す言葉ではない。(と思っている)

どの話にもなんとなく漂う悲哀。少しの期待と大きな落胆。あの日あの時あの場所で、やれたのか、やれたとは言えないのか。

全国の勇気が出せないもさい男子は必読。モテるやつはカラオケでWANIMA歌って、女抱いてろ。

女性でも楽しめる内容だと思います。男を弄びたい女子は、この漫画に出てくる子を真似すれば、いいと思います。そんな女が好きです。

MBSドラマイズムにて、佐藤二朗さん、山田孝之さん、白石麻衣さんでドラマ化しています。おめでとうございます。ドラマも全部見ました。めちゃめちゃおもしろかったです。

僕はこれから、バイト先の人と飲んできます。では。

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